味噌ノ載

●はじめに…

◯私は銀丸味噌を担当しているたかはしと申します。不肖ながら広告業界に踏み入れ早35年。
終盤ではドラッグストアの広報担当で健康に関する書籍の編集長として消費者目線の情報を発信してきました。
ドラッグストアに係ると医療・健康業界の表現には様々な制約があり辟易しましたが笑

銀丸味噌に携わり色々な情報をお伝えしたいと思っていますが、
「味噌の味噌臭きは食われず」にならないようお伝えできればと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。

●みそ…の今

◯味噌は、醤油を含めた日本の発酵調味料の基本となるものです。
基本なのに奥が深い…いや基本だからこそなのだろう、知れば知るほど多方面に渡るさまざまな情報が出てくる。
健康から流通、環境保護まで…現代の社会が直面している問題が続々と。
結果として、消費者が喜ぶ味噌が多く販売されています。それは保存しやすく、品質が変わらない、味が変わらず、手軽に使えて、美味しい…という、
コンビニエンス的な味噌がほとんどでしょう。
これはユーザー目線を究極まで追求した結果でしょう。企業様のご苦労がわかります。

もう一つの味噌の形が、昔ながらの味噌やご家庭で作る手作り味噌です。
この味噌は多くの人に「売る」事をあまり考えず「生味噌」そのままの味や熟成を楽しむ味噌です。

どちらの味噌も捨てがたく、我が家には常時3種類ほどの味噌が冷蔵庫にあります。

◯生味噌は流通管理が難しいので、大手スーパーに並ぶことはほとんど無いでしょう。
ですので生味噌の販売はインターネットショッピングで購入し宅急便等のドアtoドアでのお届けになるためお値段はどうしても割高になりますが、味噌にはない「生味噌」の魅力が溢れています。

銀丸味噌でプロの料理人がまず驚くのが、銀丸味噌には「これ、出汁がいらないな…」という事です。
普通ですと味噌は出汁を入れないと…美味しくありません。
はじめて一人暮らしをし全く知らずに味噌汁を作った時「なんて不味い味噌なんだ!」とびっくりした思い出があります。…そう!出汁を全く入れずに味噌をお湯に溶いただけ…だったのです。
ある意味味噌汁には出汁が命…ということを料理人は百も承知です。

◯また美味しいだけではなく、健康にプラスとなる機能性がたっぷり詰まっています。
若い方にはもちろん、歳を重ねた御同輩にはもっと嬉しい機能があります。
日々続ける事が大切ですが、
美味しいので苦労せず健康的な食生活が送れると思います。
そのような味噌情報をお届けしたいと思います。

※文中に「足利二条大麦味噌」と「銀丸味噌」という表現がありますが、
「足利二条大麦味噌」…は、正式名称で、
「銀丸味噌」…は、愛称・呼び名ですので、どちらも同じ味噌です。

●銀丸味噌について

◯銀丸味噌の生まれ故郷は、栃木県足利市。
古都の面影を残す、歴史のある街です。
足利市を含む栃木県は、麦に合った気候条件や肥沃な土地・豊富な水資源があり、
また栽培に関し明治時代より長年蓄積されたコツや技術を使い多くの麦が栽培され結果、生産量は日本一を誇ります。
※佐賀県と一位を争っています。

この糀屋さんも現在は残念ながら営業していません…

◯お住まいの町で「糀屋」を見かけたことはありますか?
今はほとんど街中では見かけなくなってしまいましたが、一昔前までは街にはこうした「麹屋」さんが数多くありました。
一昔前、漬物や味噌は家庭で作ることが多く、足利でも麹屋で麹を求め身近な麦を使って麦麹を作り大豆を使い「田舎味噌」を作っていました。
弊社社長は、おばあちゃんが作ったこの「田舎味噌」の味が忘れられず、製造が難しい「足利二条大麦味噌」を作るきっかけとなりました。
また足利市の産業の一つとしても貢献出来たら…という思いもありました。
そして、足利の子供達にも”おばあちゃんの味”、”ふるさとの味” を覚えていて欲しい…との想いも。

◯足利の二条大麦と、日光の麗水を使い、その土地の味噌蔵で長時間かけ熟成された「足利二条大麦味噌」は杜氏の研究により風味豊かな唯一無二の味噌に仕上がりました。また味噌を作るだけではなく、いろいろな料理にこの味噌を使ったときの旨みや香りなど、弊社の経営する日本料理店「足利伊萬里」で試作・試食を繰り返し完成した、機能性にも優れたご家庭でも使いやすく別格な味噌です。

足利「日本料理 伊萬里」
○二条大麦だからこその凄さ
・品格のある芳醇な香り

◯大麦を使った味噌は、特別良い香りが特徴です。
味噌の香りは、含まれるアミノ酸(うまみ成分)の種類や量によって変わってきますが、
うまみの強い味噌は、香りも強く複雑になります。
また銀丸味噌では香りを引き立たせるため酵母と乳酸菌を使い、爽やかでふくよかでもすっきりとした風味になりました。
この製法は、香り高い日本酒と同じ製法です。
「生きている」本物の味噌の証拠です。

◯パッケージに「みそ」と書かれていても、コスト重視のために短期間の発酵では味が弱いので調味料を入れる事になり、この調味料を酵素が分解してしまうため今度は酵素を分解する熱処理をする必要があったりと品質を保つ処理が大変です。
生みそでは酵母菌が生きていてどうしても発酵が進んでしまうのでアルコールを加えたり、バルブ付きのパッケージや冷蔵輸送を使ったりどうしてもコストがかかってしまいます。

◯同じ「無添加味噌」と書かれた味噌でも、熱殺菌すれば容器は膨張しないし、味を変えてしまうアルコール添加や高価なバルブ付きパッケージを使う必要もないので価格を抑えることができますが、時間によりうまみや風味が増す…美味しい楽しい変化…をすることはありません。手軽さと味覚…どちらかが流通において犠牲になります。

◯「足利二条大麦味噌」は時間により発酵が進むのを期待する、本来の「生味噌」を守っています。
コスト減は考えず、本来あるがままの姿の味噌を味わって頂きたく、
そのための努力を惜しみません。

○仕込みは…経験と試行錯誤!

◯旨い期間が長い麦味噌は、
技術とセンスが必要な育てる発酵。

銀丸味噌を生んだ味噌蔵は5代目と共に4代目の杜氏が味噌を育んでいます。
当時は木製の味噌樽を使って醸造していましたが、製品化する場合木片の混入等を防ぐために現在では樹脂製タンクを使っています。
桶からタンクに変えた時は心配しましたが、タンクにも酵母菌が住み着いてくれて全く問題なく変えることが出来ました。タンクの方が何かと利点が多く安定した環境で味噌作りが出来ています。

◯麦味噌の仕込みで一番大切なのが「浸漬」です。
どのくらい磨いた大麦に、水温・時間・水切りの時間…などの条件を変え、試行錯誤を重ねます。
それに麹菌をつけ製麹します。
この段階での浸漬により麹菌の発育が左右されてしまいます。

それと同じように原料の一つ「大豆」を加工します。
同じく浸漬し水切り、蒸します。この浸漬や水切り、蒸す温度や時間なども麦麹の育成に合わせ良い状態になるようにします。

そして仕込みです。
足利二条大麦味噌は麦麹の割合が多く大豆の1.5倍の麦麹を使います。
塩分は平均12%ほどを目安にし、平均で150日熟成させ出荷となります。

○「MISO」の魅力!

◯「和食・日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことや世界的な健康食ブームもあり、みその輸出量は増えています。

何と言っても「旨み」の強さはほかの調味料の群を抜きます。
その旨味をもとに、さまざまな料理にアレンジできます。

◯銀丸味噌は、普通の豆味噌や九州の麦味噌より濃い色をし、硬さはやや硬めで水っぽくなくしっかりとした質感があります。
特徴的なのは香りです。
香ばしく、ほんのりと酸味のある発酵香があり、表面的ではない奥深い香りがします。ある方はフルーティーな香りがする…と表現される方もいます。
塩味も角が立っておらずまろやかな味わいです。
どっしりとした旨味でも、後味がすっきりとしているのも特徴です。
従来の味噌特有の香りが苦手な方も、香りが全く違うので銀丸味噌であれば大丈夫!という方も。

○人間のまんなか「腸」に効く(bグルカン)

◯ここ最近、人間の腸に関し多くの働きや発見がありました。
食べた物を消化吸収する以外に、
「腸は第2の脳」
「腸は全身の司令塔」…等呼ばれ始めました。

腸内には「腸管神経」という脳とつながる神経網が張りめぐらされていて、約1億個もの神経細胞があります。これは脳の次に多いのです。 
さらに腸の機能は脳が司令を出しているのではなく、腸が独自で判断しているので「第二の脳」なのです。

◯また「脳腸相関(のうちょうそうかん)」といわれる脳と腸の関係があります。
脳と腸は、どちらか一方からではなく、お互いに影響し合いっています。腸は脳だけでなく、体内のあらゆる臓器と密接な関係にあり、腸の状態を感知して各所に信号を送ることで全身の状態を整えています。

◯さらに、体全体の免疫細胞のうち約7割が腸に集まっています。粘膜から体内に病原菌などが侵入すると、腸内の免疫細胞が働き、抗菌作用のある物質を放出して病原菌を撃退します。

腸内細菌のバランスがよいと、免疫細胞が活性化されて病原体と戦う抗体が効率よく生み出されるようになり、免疫の調整機能もよく働くようになります。
腸管免疫がよく働いていると、腸内細菌の多様性(種類が多いこと)が増し、バランスがよくなります。つまり、腸内環境を整えることが免疫力のアップにつながるのです。

◯そして味噌の健康効果として現在認知されている効果・効能は「コレステロール抑制」「抗腫瘍性」「放射性物質の除去」「胃潰瘍防止効果」「抗酸化作用」などの論文がありますが、
大麦味噌の効果としては
・健康な腸機能の維持
・便秘解消
・食後血糖値の抑制
・血中コレステロール値の低下
・心疾患のリスクの低減
が挙げられています。

◯特に大麦に含まれる健康成分の「βグルカン」の効果効能によるものでしょう。
小麦等にも極少量含まれますが、大麦は全体に含まれています。
このβグルカンの特筆する効果は「自然免疫力」を上げるという事ではないでしょうか。
自然免疫を上げると…
・免疫細胞(NK細胞)が活性化し日々生まれている癌細胞等を攻撃し排除。また腫瘍のサイズも小さくする。
・免疫細胞(NK細胞)を若返えさせる。(20代がピークで60代では半分になってしまうため免疫力が落ち疾病にかかりやすくなる)
また、
・血中コレステロール正常化
・血糖値抑制
・便秘解消

も期待できる、優れた特性を持っています。
特筆すべきが「味噌の塩分は高血圧にならなく、逆に血圧を下げる」効果が発見された事です。

足利二条大麦味噌はこの大麦の雑味を取るために70%まで磨き、
大豆の1.5倍の磨き大麦を使い仕込んでいます。

○麦味噌と銀丸味噌の違い

◯麦味噌の多くは、九州で生産されています。
大麦の生産が多い佐賀県があるのも九州ですね。
栃木県は佐賀県と一二を争う生産量なので、麦味噌があっても不思議ではありません。

麦味噌と言ってもたくさんの種類があり、地域に合った味噌が育てられています。麦の種類も多く「裸麦」なども使われているようです。
「九州の麦味噌は甘くて…」という事をよく聞きます。九州の麦味噌は麹の割合が多く、また塩分が少ないので甘い味噌が出来ます。そして九州の調味料はお醤油など甘いものが多く、地域に合わせた味になっています。

◯味噌は地域性が高く、その種類は日本農林規格でも分類が出来ないほど全国にあります。
ある意味「その地方を食べる」という意味にもなり、僕は楽しいと思います。

さまざまな地域があり、個性のある町があり、さまざまな好みの人がいる。
物事に対する感じ方も、人それぞれ。
好きな人もいれば、嫌いな人も必ずいる。

何だか楽しい。多様性があればこそ発展する。
あみだくじの線が1本じゃ楽しくないでしょ?
たくさん線があってこそ、多様性が生まれ楽しくなる。

夏に美味しい「なす味噌グラタン」

◯味噌に違いはありますが、機能性のある調味料という意味ではあまり差は無いと考えています。
料理により七変化する味噌。
美味しくて健康に貢献できる、毎日飲んでも飽きないお味噌汁。
焼きおにぎりにすれば、香ばしく香り高い一品料理の出来上がり!

銀丸味噌へのリピーターの多さが、
「足利二条大麦味噌」の評価だと思い、これからも精進していきますので
この味噌が無くならないよう応援して頂ければ幸いです。

※記載内容は筆者の個人的な見解であり、特定の商品または発酵食品についての効果効用を保証するものではありません。

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